ラベルの基本構造と種類
ラベルの基本的な構造と種類(仕上げ形状)をご説明します。
初歩的な内容ではありますが、選定にあたって意識して頂くところや
専門用語などをご確認いただき、選定時(見積依頼時)の参考にして下さい。
1.「表面基材」の役割と種類
表面基材はラベルの表面部分で、印刷や加工を行う基材となります。
大きく紙基材とフィルム基材に分けられ、それぞれに特徴があります。
紙基材(一般上質紙・コート紙等)
軽量で印刷適性に優れ、コストパフォーマンスに優れています。
ただし耐水性や耐久性に劣ります。
フィルム基材(PET・PP等)
紙基材に比べて耐水性や耐久性に優れ、高級感を出せます。
ただし紙に比べてコストが高くなります。
クリーンルーム用ラベルである当社ブランドの
スタクリンタック(クリーンペーパー基材)は、発塵防止樹脂を塗布した「含侵紙」が基材となっております。他にも、白PET基材でもクリーンルーム用に多数の実績があります。
2.「粘着剤」の役割と種類
粘着剤は、対象物にラベル(シール)を貼り付けるための物質(層)となり、用途に合わせて選定します。
永久接着、強粘着:剥がれては困る用途、耐候性重視
再剥離、一時接着:後々剥がすこともあり容易に剥がれる
超弱粘:付箋等に使われ、貼り・剥がしを繰り返す用途向け
主な系統は以下の通りです。
アクリル系:耐水性、耐候性に優れ、幅広い用途に使用できます。
ゴム系:初期接着力が高く、柔軟性に優れ、屋外用ラベルに適しています。
シリコーン系:耐熱性、耐水性に優れ、高温環境や水回りに適しています。
(クリーンルーム用ラベルでは糊残り軽減を目的に、アクリル系を選択するケースが多いです。)
他にも以下の系統があります。
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ホットメルト粘着剤:高速塗布向け
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ラバー系:追従性重視
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ウレタン系:耐振動・衝撃
3.「剥離紙」の役割と種類
ラベルの剥離紙(セパレーター)は、ラベルの台紙となる役割を果たします。
また、粘着剤を保護したり、ラベルの製造加工時・使用時の作業性を向上させる効果があり、最終的に廃棄する部分ではありますが、ラベルの品質や性能に影響を与える重要な部材です。
剥離紙の種類は紙基材(上質紙・グラシン紙等)、フィルム基材(PET・PP等)に大きく分類され用途・目的・価格を考慮して選定します。
剥離紙には基材を剥がすときにかかる力量(剥離力)を調整する役割もあり、力がかかるものを「重剥離」、軽く剥がせるものを「軽剥離」と言います。
剥離紙の選定はラベルメーカー側の設計に委ねることになりますが、ある程度の数量があるカスタム生産の場合は、種類を指定することも可能です。
クリーンルーム用には環境によって剥離紙にも気を使う必要があり、当社ではクリーンペーパー基材の剥離紙もご用意しております。
ラベルの仕上げ形状
ラベルには様々な形状がありますが、大きく下記の3つに分類されます。
シート仕上げ
▶用途
オフィスのレーザープリンターでの出力用、手作業で剥がし貼付する場合。
▶確認点
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台紙のサイズ、ラベルのサイズ
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面付数(1シートに何枚か)
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スリット加工か、抜き加工か
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抜き加工の場合はピッチ(間隔)
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印刷の有無(色数)
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剥離紙の裏スリット、ミシン目加工などの追加加工の有無。
ロール仕上げ
▶用途
プリンター出力用、自動剥離等
▶確認点
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シート(剥離紙)幅、巻き長(外径)
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ラベルサイズ、ピッチ(間隔)
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コアサイズ(内径)、コア基材指定の有無
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剥離紙裏面へのIマーク(プリンター感知用の印刷)の有無。
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巻取りの方向(ラベル面外巻きか裏巻きか)
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印刷の有無(色数)
フォーム仕上げ
(ミシン目・折り)
▶用途
プリンター出力用、自動機用
▶確認点
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シート(剥離紙)のサイズ(縦・横)
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ラベルのサイズ・ピッチ(間隔)
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スプロケット(丸穴)の有無とピッチ
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ミシン目加工のピッチ
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印刷の有無(色数)
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折りの方向(ラベル面外か内か)
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